時間写真

何も映らぬ風景の中に
何を見つける?
それは時間を写したのだ

夜の狭間に
モヤいだ頭を覚ますように
ベランダで飲んだ酷い味のインスタントコーヒー
きみはふたり
抱き合った陰陽の姿見

残像を追いかけて
ぼくのスーパースターは
写真の中で
合図を待っているかのよう

酷い朝だ
まだ夜のほうがましだ
でも、あの日の待ち合わせを
忘れないように
シャッターを切る

きみのポートレートが重なっていく
ぼくのアルバムは
残酷にもシンプルだ
ただきみだけを写し続けた時間の中で
何かを喪失し
ぼくは深い悲しみの中に
帰り道を独りで歩く

陽の光は
机の上のアルバムに
影をつくって
時間を封じ込めた罪に
ぼくはまたシャッターを切る