「泣いたトラック」

細く長い道を
ただ何度も往復してきたトラックが
呟く戯れ言を聞いたことがあるか?
途切れ途切れの声で 静かに泣く声を

あの雨の(降り方を) 教えてくれたのは、今はもう 山に消えた、そのトラックだった

彼は何度も丁寧に腰を落として教えてくれた
地上に ぶつかる 瞬間に 弾ける水滴を
見せてくれた

いつから、泣き始めた
その頃は、泣いてはいなかったトラックが
見つめていたのは、彼方未来でも、捨てた過去でもなく、
忘れそうになった我ら

今はもう、さよならを言って
散り散りになった僕ら
何のために?

何を急いでいたのだろう
何処に向かっていたのだろう
深夜の高速で、ひたすらタイヤを軋ませて
カーブの先は見えず

上りに 苦闘しながら
ただ無心にゴールを目指したトラックが
ひたむきにその存在を信じ
裏切られていったものとはいったい何か

入道雲が 見下ろす空の下
この汗が 視界を奪っても

何もかもが高速に
達する痛み分かち合った
言語でつく嘘、大丈夫
祈りをこめ、空へ 手紙を書き続けた

幼い頃、なりたかったのは
答えを 持つ 人間
「********」

それでも進む、トラックは、田園風景をゆっくりと
自分の歩幅で
ゆっくりと
さよならだけともに