『理屈of幸せ』



銀河系のある星で

雨が降れば休みの仕事をしてた

朝飯は抜いて 昼飯はラーメン

夜は酒ばかり、特に北の酒を飲んだ

貯金をできるほどではないけど

言葉の通じない3人で6畳の部屋に住んでた

土曜は午前中だけで終わるから

排気ガスで汚れた顔を洗ってから

踊りに出かけた

リズムも分からないほど速い異国の音楽

煙と匂いの充満したフロアで

ジョンがトラブったって奴の踊りを真似た



唯一つ言えるのは夜が明ける瞬間

俺はこの不安から開放されていた



自分ん家から少しはなれたところに

目の黒い華奢な女が住んでた

日曜は仕事が休みだから、一日中そいつん家に居た

いつも雷の音に似た遠い国の歌が鳴ってた

猫と亀を飼ってたその女は料理がうまかった

俺の故郷じゃゴミだと言われる材料で

最高に旨い料理を作ってくれた

朝になるまで何でもいいから話してた



唯一つ言えるのは夜が明ける瞬間

俺はこの不安から開放されていた



そんな或る日 

完成間近のビル 天気の良さにうっかりしてた

重さ8tの柱が俺の体を貫いた

誰も悲しまないよくある事故

俺の残骸はそのままセメントに埋もれた

何人かはあわてた顔をしていたが

大抵の人間はわすれてしまった事故

あの目の黒い華奢な女もいつしか料理を作らなくなった



唯一つ言えるのは夜が明ける瞬間

俺はこの不安から開放されていた